列車は全車両パノラマカーで天井までガラス張りの窓がある明るい車両で構成されています。冬場は朝9時台の1編成がサンモリッツ始発(夏場は3編成ある)でクール発ブリーク行きが1編成あります。クール発は早いので乗車困難です。全区間乗車する場合は座席の予約が必要です。予約はスイスの何処でも可能です。また、レイルヨーロッパのWEBサイトで日本語で出来ます。
ジュネーブはレマン湖の西端に発達した国内では比較的温暖な街で時計産業が有名なスイス第二の都会です。国際空港や鉄道の大きなターミナルがありスイス各地はもとより世界への玄関口ともなっています。世界各国のレストランがありますのでスイス料理に飽きても大丈夫です。日本料理やすし店はもとよりラーメン店もあります。しかし、物価の高いスイスではチャーシュー麺と餃子のセットにビールをジョッキで頼むと¥5,000ほどの出費となりますのでご注意ください。
ベルナ―オーバーラントラウターブルンネンからヴェンゲンに向かう登山鉄道の車窓↑ ミューレンから↓
これらに滞在するほとんどの観光客はクライネシャイデックで乗り換えユングフラウヨッホへと登山電車を乗り継いでいきます。途中のクライネシャイデックは大きく開けた高原状の地形でハイキングにもってこいの散策路がたくさんあります。ここからグリンデルヴァルトやヴェンゲンなどへも徒歩で降りていくことが出来ます。駅前には大きなレストランを併設したホテルがあり、列車が到着するとアルペンホルンの生演奏で旅人を迎えてくれます。昼に到着した場合はこのレストランで一休みするのもいいでしょう。このアルペンホルンの演奏者の横にはレストランの日替わりメニューが立てられており演奏は実はレストランの宣伝のためのものです。ルツエルンへの列車はインターラーケンオスト駅からおよそ40分でメイリンゲン駅に到着しここで方向を変え、山の中へ入っていきます。途中停まる駅は小さな駅ばかりで長閑な雰囲気です。やがて終点のルツエルンに近いところアルプナハドルフで比較的多くの乗客が降りるとほどなくルツエルン駅のドームの中にすべり込みます。ルツエルンは大きな駅で街もさぞかし都会だろうと思いきや、風光明媚な山岳リゾートです。駅前にある湖はフィーアバルトシュテッテ湖といい日本語を当てはめると四つの森の州の湖となります。この湖は大きくスイス建国の4つの州に囲まれておりウイリアムテル伝説の舞台でもあります。
ルツエルンの滞在では趣のある旧市街の散策や湖の向こう側にある奇妙な形をしたピラトウス山へのエクスカーションが一般的です。ピラトウス山へは明日登るとして本日はこの風光明媚な街の散策に当てましょう。駅の規模からは想像できないほど小さな町で散策にはもってこいの大きさです。 人口6万足らずの街に世界中から多くの観光客が訪れるため、街中はいつも賑わっています。日本からの観光客も多く、シーズンのオン、オフを問わずかならず出会います。お勧めの訪問時期は5月で地元ではシーズンオフのため半分くらいのホテルは休業しておりますがやや静かな街を楽しめます。
翌日はいよいよピラトウス山へのエクスカーションです。ルツエルン駅からローカル列車に乗りおよそ20分ほどでアルプナハシュタットに降り立ちます。実は昨日通過した駅です。駅前にはピラトウス登山鉄道が走っています。急斜面を赤いケーブルカー状の車両が山頂へと導いてくれます。この登山鉄道は世界で二番目に開通した登山鉄道で、隣に聳えるリギ山への登山鉄道に次いで古く、その勾配は一番きつい所で48%と世界で一番の急勾配です。ピラトウス山は魔の山と呼ばれ、キリストを処刑したポンテイス・ピラトウスの亡霊が彷徨う山としてかつては恐れられていた山ですが、その山容から人気があり当地を訪れた観光客の多くの方が登ります。また、アプローチは上記のほか、ルツエルンの街外れにあるクリエンスからロープウエイでも行くことが出来ます。往復でコースを変えれば両方楽しめます。ルツエルンで周遊チケットを購入できます。山頂からの景色は美しくルツエルンの街やフィーアバルトシュテッテ湖、その周りの州、および遠くアルプスの山々が見渡せます。
ピラトウス山頂からの景色です。↑ルツエルン方面、↓登山鉄道とアルプス。
以上スイスアルプスの定番をお知らせしてきましたが、このほかにも是非訪れていただきたいところが沢山あります。また、スイスには温泉都市が沢山あります。日本の温泉とは様相が異なり水着を着用して入るクアハウス的な施設ですが、お好みより組み合わせることをお勧めいたします。
ルツエルンから帰国する場合は列車で1時間ほどでチュリッヒ空港へ出られます。また、ドイツの主要都市やフランスのパリ方面へも列車で簡単に行くことが出来ます。