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チェコの玄関口プラハへはパリでの乗換えが便利です。または、ドイツのベルリンから鉄道でチェコの温泉保養都市カリロヴィ・バリへ入るという手もあります。ここでは、一般的なパリ乗換えプラハコースをご案内します。
パリへは羽田か成田から直行便で12時間ほどです。エールフランスかチェコ航空に乗り換え1時間ほどでチェコの首都で中世の面影を色濃く残す美しい街プラハに降り立つことが出来ます。空港から市街地まではさほど遠くなくタクシーで20分ほどです。夏場の旅行の場合、夕刻の到着でもまだまだ明るいので街の散策が出来ます。
ホテルにチェックインしたら早速市内散策に行きましょう。旅の疲れがあるとは思いますがカレル橋あたりまで軽い散歩でしたら容易に出来ますし、プラハの美しい街を見ていると疲れは感じなくなるでしょう。旧市街広場(上記写真)にはいつ行っても多くの観光客や地元の方々がくつろいでいます。カレル橋から旧市街広場の間ははプラハに滞在していると何回も通ることになるでしょう。橋には露店が立ち並び大勢の人が行き交っています。夕刻に訪れるとプラハ城が夕陽にシルエット状になりとても美しい景色を見ることが出来ます。
プラハでは現地人ガイドによる徒歩での街歩きツアーがあります。およそ4時間かけてプラハの見所を廻ります。日本語でのツアーもあります。到着の翌日にこのツアーに参加されることをお勧めします。風情のある石畳の道やカフェが建ち並ぶ裏通りなど中世のヨーロッパを思わせる趣のある街をゆっくり歩きますので、体力はさほど必要ありません。ほとんどのホテルに案内書が置いてあります。
その中からポピュラーなツアーはプラハ中央駅を起点に国立博物館、火薬塔、旧市街広場、カレル橋までをゆっくり徒歩で廻ります。国立博物館から地下鉄ムステク駅までは幅100mはあると思われる大通りを通りますが、真ん中はヴァーツラフ広場と呼ばれ、花が植えられカフェなどもあります。この付近はプラハの中では比較的近代的な建物が多くオフィス街という印象を受けますがそれでも日本人には羨ましくなるくらいの美しさがあります。ムステクで右に折れ、黒く異様に大きな門火薬塔に向かいます(上左の写真)。かつての市門であった火薬塔は15世紀ゴシック建築のひとつです。ここからはツェレトナー通りを旧市街広場に向かいます。旧市街広場は市の中心にあり、多くの道がここから四方八方に伸びています。広場には見所が沢山ありますが、そのなかでも人気があるのが市庁舎の一角にある時計塔です(上右の写真)。毎正時には鐘の音とともにからくり時計が動き出しますが、皆それを目当てに集まってきます。
旅行の日程にもよりますが、翌日はボヘミア南部でヨーロッパでも有数の美しい街チェスキークルムロフを訪れてみましょう。プラハからは各社がバスツアーを設定しております。日帰りから宿泊を伴うものまで幾通りもプランがあります。ツアーに参加すれば見所は自動的に廻ってくれますのでわずらわしさはありません。もし、自分で廻る場合は鉄道を利用することをお勧めします。プラハ中央駅から早朝のユーロシティに乗り、チェスキーブディョヴィッツでローカル線に乗り換えます。この列車はヨーロッパでは珍しいディーゼルカーです。プラハからチェスキーブディョヴィッツまではおよそ4時間、そこから1時間でチェスキークルムロフに着きます。ちょっと遠いですが車窓からボヘミアの景色を堪能しながらの列車の旅はそれなりに楽しいものです。
チェスキークルムロフ駅から市街までは徒歩で10分ほどです。お城を目指して進みます。お城の近くに市門があり、そこから旧市街に入って行きます。街はプラハを流れていたヴルタヴァ川が半円を描くように流れている中に川に囲まれるように形成されています。中世の街そのままの佇まいが美しく散策意欲が湧いてきます。街は徒歩で10分も歩くと端から端まで辿ってしまい、こじんまりとまとまっています。
この街にも徒歩のツアーがあります。同じ時期に建てられたと思われる建物もそれぞれ建築技術の異なるものであったり学術上重要なものであったり街を散策する上で興味をそそるガイドを受けることが出来ます。
市門から旧市街に入りほどなく蛇行するヴルタヴァ川を渡ると旧市庁舎が建つスヴォルノスティ広場があります。18世紀にこの街を所有していたシュヴァルツェンベルク家がその後街を離れたためそこで街の発展は終わってしまいました。そのため、18世紀のままの街並みが今に残り美しい佇まいを見せています。街中をぶらぶら歩いているとどうも街の大きさに合わないサイズの城が気になってきます。プラハ城に次いで大きな城は旧市街から川を挟んだ高台に聳えています。
城門をくぐるとこの城の大きさに再度驚いてしまいます。当初高く聳える円筒の建物だけであったものが時代とともに次々と建て増ししていったものであるということです。既に16世紀には40余りの建物と5つの中庭で構成されていたらししく、複雑な造りは見学に半日以上を要してしまいます。初代に建てられた円筒形の建物は長い急な螺旋階段を上まで上がることが出来、街を俯瞰する絶好の展望台になっています。 プラハから朝早い特急ユーロシティで訪れてもこの城を見学していると1日が終わってしまいます。しかも見学最後の部分には広大なイギリス庭園とフランス庭園が数百メートルに渡り広がっております。全ての見学が終わり城を出るためにはかなりの距離を戻らなければ出られません。しかし、夏場はヴルタヴァ川に張り出したレストランで香りの良い地ビールや安いのに飲みやすいワインでのどを潤しながら地鶏料理などを楽しむことが出来ます。見学の疲れをいやしながらゆっくりとチェスキークルムロフの夜を楽しんでは如何でしょうか。夏場は夜9時でも明るさが残っています。
翌日はこの小さく美しい街を徒歩でじっくり散策しましょう。街は城とは反対にとっても小さく狭くじっくり見ても半日は掛かりません。午後の列車でプラハに戻ることが出来ます。また、城の見学を一部割愛すれば日帰りでのプランも可能です。予断ですがここへ来る途中列車を乗り換えたチェスキーブディョヴィッツは英語読みでバドワイザーとなり、アメリカのあの有名なバドワイザービールの銘々のきっかけとなった街です。チェコには他にピルゼンという街があり、こちらはピルスナービールの発祥の地です。
プラハに戻ってくるとどうしても足は旧市街広場とカレル橋に向いてしまいます。カレル橋は朝昼晩深夜いつ来ても人が絶えず静けさを味わうことは出来ません。旧市街広場にある市庁舎の天文時計にしても夜ともなれば観光客が去り静けさがありますが、カレル橋だけは一日中賑わっています。橋の両側には多くの露天商が所狭しと並び、ジャズ演奏のグループ、似顔絵書きなどいろいろな人たちが常駐している中観光客が後を立たないからです。
カレル橋の上には片側15人づつ両側で計30人の聖人たちの像があります。これらは橋が出来た当初は無かったものです。橋の途中には川にせり出し膨らんだところがあります。これはかつて処刑場だったところでここで罪人が首を斬られ川に流されていた跡です。その場所には十字架が置かれています。罪人が処刑される前に最後の祈りをするための十字架だったといわれております。その後16世紀から18世紀にかけて十字架に続いて数々の聖人の像が造られていき現在の30体に及ぶものとなったそうです。
その像のうちのひとつヤン・ネポムツキー像の前はいつも人で賑わっております。記念写真を撮るのは順番待となるほどの人気です。ヤン・ネポムツキーはヴァーツラフ4世の時に宮廷の司祭になった聖人です。当時の王妃ソフィアの懺悔内容を明かせと言うヴァーツラフ4世の命令を拒否したためヴルタヴァ川に投げ込まれ殺害されたといわれている人物です。そのときの様子が台座に記されており、いつしかその部分に触れると何か良いことが起こるといわれるようになりました。そのため皆が触っていくため銅版が光っています。 旧市街側からカレル橋を渡っていくと右前方に大きなお城が見えます。これがプラハ城であまりの大きさのためどこからどこまでが城の建物なのか分からないくらいです。夕方には夕陽にシルエットとなり若者たちのデートスポットにもなっています。
次はチェコきっての高級温泉保養都市カリロヴィヴァリを訪れます。プラハ中央駅からドイツ国境の街へプ行きの列車に乗りおよそ3時間半の道のりです。
カリロヴィヴァリもチェスキークルムロフ同様美しい町並みを誇りただ散策しているだけでも心が癒されてきます。市街地は街外れの高台にある鉄道駅から坂を下ったところにあります。中心にテプラー川が流れており、その両側に発達した細長い街です。高級温泉保養都市というこでヨーロッパ中のお金持ちが保養に訪れており静かで落ち着きがあります。
この地の温泉は浸かるというよりは飲むことに主眼が置かれており、街のあちらこちらに無料の飲泉所があります。それぞれの飲泉所は泉質が異なり味も違います。飲泉所はコロナーダと呼ばれ、立派な建物の中やモダンなアーケード状の通路にあります。ほとんどのコロナーダには屋根があり雨が降っていても容易に飲泉ができます。
飲泉にはラーゼンスキー・ポハーレクと呼ばれる取っ手が飲み口になる独特の陶器製カップを用いています。このカップは街の至る所で売られておりお土産にはもってこいの代物です。デザインも美しく皆散策のときに持ち歩いて飲泉を楽しんでいます。
カルロヴィ・ヴァリでの食事は高級保養地だけあってチェコの他の地区より大幅に高い料金設定となっております。通常ワインやビールはチェコ中何処へ行っても非常に安く、気軽にぐいぐい飲んでしまいます。ビールの味は日本では地ビールに似ており、とても香りが高く風味があります。因みにプラハあたりでは350mlのジョッキ一杯のビールの値段は店にもよりますが180円くらいですが、カルロヴィ・ヴァリでは5割から10割ほど高くなっております。これは食事も同様です。
カルロヴィ・ヴァリからの帰路は同じ道を帰るか、更に前進しヘプで列車を乗り継ぎドイツのニュルンベルグに入ることも出来ます。また、プラハからはドレスデンやライプツィッヒなどはさほど遠くありません。