新・私らしい旅行

温泉天国台湾で温泉と美食三昧


 日本からほど近い台湾にはたくさんの温泉場があります。国内の温泉に行くのとあまり変わらない手軽さで台湾の自然と温泉を訪ねてみてはいかがでしょうか。



 東京からわずか4時間ほど飛行機にゆられると台湾最大の街台北に到着できます。台北には桃園(タォユァン)松山(ソンシャン)の二つの空港があります。東京の成田と羽田、大阪の関空と伊丹に相当する空港と考えてください。台北には日本各地から多数の便が就航しておりますが、成田、関空及び沖縄からはLCCの就航もあります。LCCと台北近郊の北投(ペイトウ)、烏来(ウライ)、礁溪(ジャオジ)、陽明山(ヤンミンシャン)、金山(ジンシャン)などは週末を利用して簡単に訪れることができるでしょう。
 松山空港便で日本から到着した場合は空港地下のMRT文湖線の動物園方面往きに乗り4つ目の駅大安(ダーアン)淡水信義線に乗り換えると空港から30分ほどで台北駅に到着できます。そのまま乗車を続ければ北投温泉の玄関口北投駅に到着できます。
 桃園空港便の場合は台北中心部までのMRTが便利です。空港MRTは直達(快速)と普通の種別があり直達に乗ると40分かからないで第一ターミナルと台北駅を結んでいます(160元)。また、MRTは高鐵(新幹線)の桃園駅へも結んでおります。高鐵を使って台中、嘉義や台南方面にも簡単にアクセスができます。
 従来通り高速バスも走っています。バスで台北市内へ行く場合は、会社によって台北市内での経路や料金も異なりますが国光客運バス1819系統の利用をお勧めします。渋滞気味の市内部分が少なく本数も多く時間も一番信頼できるでしょう。料金は125元と他社よりやや高めですが容認できる高さです。大有バスという安い(台北駅まで90元)バスもありますが時間が掛かるうえダイヤどおりにバスが来ないなどあまり信頼できません。

台北から簡単に行ける温泉
 台湾の温泉デビューの方は最も気軽にして温泉場の雰囲気が堪能できる北投温泉をお勧めします。北投温泉は台北の中心部から地下鉄で30分ほどで到着できるにも拘わらず本格的な温泉につかることができます。ホテルも格安から豪華リゾートまで多数の施設があります。北投温泉は硫黄臭がある乳白(青)色のいかにも温泉といったお湯が沸いております。日本に多い無色透明の単純泉風の温泉が好きな方は台北市街から地下鉄とバスでおよそ1時間の烏来温泉、台湾鉄道の台北駅から自強号(特急)で1時間強の礁溪温泉がお勧めです。以下各温泉場に分けてご案内します。

北投温泉
 台北で最も気軽に出かけることが出来る温泉場です。台北駅の地下から出ている地下鉄(台北捷運MRT)淡水信義線でおよそ30分で北投駅に着きます。北投駅で新北投行きに乗り換え3分で温泉街の入り口に到着します。駅前は賑やかでコンビニやレストラン、ファーストフード店などが建ち並んでおります。この中には温泉付きのホテルも沢山あり徒歩10分くらいまでの間に宿が多数あります。駅前から広がる公園は図書館や博物館、日帰り温泉施設などがあり散策できるようになっております。
 北投温泉に宿泊した場合、上記の公園内にある各種の施設を訪れるほか地獄めぐりや陽明山へ足を延ばすこともできます。陽明山温泉もやはり硫黄泉です。静かな雰囲気を望む方にはいいかもしれません。陽明山から金山やトルコのカッパドキヤのミニ版の野柳などを周遊するプランも組めます。

  



 MRT北投駅から台北と反対側に向かうと終点が淡水駅です。 淡水は夕日見物の名所になっており夕方になると若いカップルや家族連れが沢山訪れてきます。昼間は学生や老若男女多くの方が海辺の公園を散策しています。東京でいえばお台場的な雰囲気もあり海沿いには洒落たカフェやレストランが建っています。また、老街も賑わっていてお土産店やシーフードレストランなどに多くの人出があります。淡水から上記の野柳や金山へはバスが出ています。野柳までは約1時間半ほどで行けます。





 北投からMRT淡水信義線で15分ほどで台北最大の夜市士林夜市の最寄り駅劍潭(ジァンタン)駅に行けます。新北投駅前にもたくさんの飲食店がありますが士林夜市でB級グルメを堪能してはいかがでしょうか。士林夜市の最寄り駅は士林駅ではありませんのでご注意ください。

烏来温泉
 台北市内から直通のバス便がありますが市内の渋滞区間を通るため以下のアクセス方法をお勧めします。市内各所からはMRT松山新店線に乗り新店駅まで行きます。ここで烏来往きのバスに乗り換えです。バスは台北中心部からの便を含めて20分おきくらいに出ています。バスは市街地からどんどん山道に入りつづら折れの道を進んでいきます。やがて温泉ホテルが見え始めあたりが温泉地らしくなってきましたら間もなく終点の烏来温泉です。新店からはおよそ30分くらいで着きます。川沿いの景色のいいすがすがしい温泉場です。バス停から徒歩5分ほどで街中に入っていきます。食堂やお土産店が並ぶ小さな商店街を抜けると右に橋を渡り山に向かう道に差し掛かります。二股を左方向のフラットな道を進むと両側は温泉街です。各ホテルは昼間は部屋を貸し切って日帰り温泉をやっており、夕刻から宿泊施設となっております。宿泊の予約をしていてもチェックインは夕刻からとなっている宿が多くありますのでご注意ください。





  

烏来温泉のお湯は無色透明です。日本の各地にある単純泉と同じ印象です。湯音は高めです。

礁溪温泉
 台北駅から台鉄に乗り自強号(特急)で1時間余りの乗車で礁溪駅に到着します。ここに停まる自強号はあまり多くありませんので普通列車で来る場合がありますがその場合は2時間ほどかかります。ただ、駅前が温泉地なのでアクセスは比較的楽な温泉場だと思います。礁溪温泉も烏来と同じような単純泉です。温泉場の規模は烏来や北投よりも大きく多数の温泉宿があり格安から高級リゾートまでそろっております。日帰り施設も多く、各宿のほか多種多様な温泉施設があります。その中で温泉魚の看板が目立ちます。これは足湯に浸かりながら角質を小魚に掃除してもらう施設です。およそ¥300ほどと安いです。浸かりながらビールやお茶も楽しめます。



  

 温泉街には多数の宿がありますが北投や烏来に比べ安い設定です。街中には写真のように沢山の食事処もあり安くておいしい台湾料理が楽しめます。居酒屋やパスタ屋さんもあります。
 ここから更に南に向かい太魯閣峡谷(最上段の写真)などの観光の拠点にもいいでしょう。峡谷歩きで疲れた体を温泉に浸かって癒してください。



この鍋屋さんはコスパ最高です。台湾のあちこちにあります。

台湾各地の温泉

關子嶺温泉
 おすすめのトップは關子嶺温泉です。女性に人気の温泉で成分に泥が含まれており、皆泥パックを楽しんでいます。そのため色は灰色で硫黄の匂いと機械油のような匂いがします。北回帰線の通る嘉義からバスでおよそ1時間の山の中の温泉場です。嘉義までは高鐵で台北から100分、桃園から1時間強で到着します。嘉義駅は台鐵と高鐵では離れておりその間を無料のシャトルバスが20分ほどで連絡しています。關子嶺温泉までの路線バスは台鐵の嘉義後站から出ていますが、高鐵からのシャトルもこの後站に着きます。關子嶺温泉へのバスはおよそ1時間毎に出ています。後站とはメインの口とは反対側の口という意味で別の駅ではありません。東口が前站でしたら西口が後站といった意味です。



  

 關子嶺温泉はクアンツーリンといえば地元で通じます。温泉街は二つの地点に分かれており、新興地区と旧温泉街とで形成されています。上記写真は旧の方で日本の温泉街と似た雰囲気を醸し出しております。各宿泊施設には日帰り用の設備、あるいはメニューが用意されています。

瑞穂温泉
 日本っぽい名前ですがみずほとは読まず発音はルイスィです。東部の花蓮県にある温泉地のひとつで成分に鉄分が含まれており薄く黄色がかった色をしているため黄金の湯とも呼ばれています。日本の有馬温泉に似た成分で瑞穂地区以外の花蓮の市街地でも同種の温泉を堪能できます。鉄道で行く場合、瑞穂站は自強号は停まりますが本数はあまり多くありません。花蓮からは1時間強で着きます。温泉街へはバスまたはタクシーで向かいます。台北からのアクセスがいい花蓮の松之風温泉ホテルに泊まれば同種の温泉に浸かることができます。



 花蓮は太魯閣峡谷への玄関口でもあり、ここを拠点にすると便利です。台北から花蓮までは自強号の速達便(プユマ号や太魯閣号)で2時間10分ほどです。瑞穂へはさらに1時間強かかります。



 太魯閣へは花蓮から各種ツアーや路線バスが出ています。タクシーを半日借り切るとおよそ2,000元ほどで行けます。

廬山温泉
 廬山はルーシャンと読みます。かつては富士温泉と呼ばれていたこともあり、日本が統治していたころに開発されました。台湾中部の山の中にありアクセスがやや面倒なのと二度にわたる洪水の被害にあり多くの旅館が壊滅してしまいました。地形的にこれからも同様の被害がもたらせられる可能性があり近いうちに閉鎖が決まっております。ただ、未だ幾ばくかの温泉ホテルは営業を続けております。いつ完全閉鎖になるか分かりませんが静かな温泉地に訪れることができる最後のチャンスですのであえてご紹介します。

  廬山温泉へは台中からバスを乗り継いで行きます。まず、埔里までバスに乗ります。台中からのバスは多数出ており高速道路を経由しておよそ1時間で着きます。埔里は内陸の大きな街でバスの本数が多いのもうなずけます。埔里で南投客運のバスが廬山温泉まで出ています。日に8本ほどでおよそ1時間毎の発車です。途中霧社事件(抗日闘争)のあった霧社まで50分ほど揺られここで5分停車しさらに山の中へ20分ほどで廬山温泉に到着します。霧社にはセブンイレブンがあります。


 廬山温泉は無色透明微臭の食塩泉が湧出しており高温のお湯が堪能できます。各ホテルには部屋に温泉浴槽を設けており大浴場や露天風呂の設備を持つところもあります。部屋にある専用風呂以外は水着着用の混浴施設です。温泉街はかつては賑わっておりましたが閉鎖が決まってからはひと気は少なく静かな温泉場となりました。ホテルのほかは地の料理を出す食堂とシイタケや蜂蜜などの特産を売るお店などがあります。